2021年04月06日

虹図

昨日から初めての親子展が始まりました。
『親子』展については語り尽くせない様々な感情がありますので、いつかゆっくりお話しできたら良いなと思います。
展示案内を兼ねて、作品の紹介をいたします。

鳳凰虹図
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麒麟虹図
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2点対で「虹図」

鳳凰虹図
HOUOU NIJIZU

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麒麟虹図
KIRIN NIJIZU

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画材:木製パネル、ワトソン紙、ガッシュ
wood panel, Watson paper, gouache
サイズ:50×100 cm
制作年:2021年

鳳凰虹図と麒麟虹図の「虹図」
どちらも縦50cm×横100cm
サイズは小さいですが『六曲一双』の屏風や、襖絵のような感覚で描きました。

「鳳凰虹図」は虹ではなく実際はハロ、日暈です。なので虹は麒麟の引いている「麒麟虹図」だけ。しかし太陽がなければ虹はできないもの。2つがそろっての虹図です。
黒雲の渦が太陽に照らされ消滅し、落雷を切り裂き虹がかかる。
嵐の世界情勢が収束する祈りを虹に託しています。

親子展でこれを描こうとした背景として、父方の祖父の遺品の『鳳凰柄のカフスボタン』があります。懐中時計と一緒にサイドボードに置かれたそれは子供心に残る我が家の風景です。
20年前、作品展示を始めたばかりの頃、母方の祖母が私の個展で『麒麟の絵』を買ってくれました。とても温かい思い出です。
鳳凰と麒麟、これに姉妹を乗せて描きたいと、テーマが決まった瞬間でした。

鳳凰は鳥類の長であり麒麟は獣類の長、対で描かれることが多く、天皇陛下の高御座が有名です。
鳳凰は伊藤若冲や鈴木春信の版画、麒麟は西本願寺の唐門をモデルにしています。
屏風の筆の表現としては橋本雅邦の『龍虎図屏風』が心にあります。

虹、幸運、虹の橋、多様性…
平和や幸せを祈っての虹、大切な愛犬ひなちゃんが去年渡った橋、差別や蔑視を無くす多様性の象徴。
時が流れ、時代が移り、価値観は刷新されていく。
踏襲するものと今とこれから、どんな思いを込めて描いていこう。

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彫刻家 加藤豊 × 画家 加藤美紀
親子展
Sculptor Yutaka Kato × Painter Miki Katoh
Parent-child exhibition

会期:2021.4.5.mon - 4.16.fri
営業時間:11:00 - 18:30
会期中無休

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ギャラリーせいほう
〒104-0061 東京都中央区銀座 8丁目10番7号 東成ビル1 F
phone : 03-3573-2468
fax : 03-3573-5678
mail : seihou@ceres.ocn.ne.jp

Gallery SEIHO Co.,Ltd.
8-10-7 Ginza Chuou-ku Tokyo, 104-0061
phone : 03-3573-2468
fax : 03-3573-5678
mail : seihou@ceres.ocn.ne.jp

*作品のお問い合わせは、ギャラリーせいほう までお願いします。
For inquiries about works, please contact Gallery Seiho.

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posted by mikikatoh at 13:29| 展示

2020年01月07日

新時代

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新年明けましておめでとうございます。
2020年初の展示は、去年と同じグループ展「鸞翔鳳集展」となります。

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「鸞翔鳳集展Vol.3」

出品作家 
阿部観水、大矢加奈子、島ア良平、朱華、檜垣友見子、谷下田朋美、山岸千穂、吉田朗、吉田涼香、尾ア慶子、加藤美紀、空山基 

会期: 1月10日(金)〜2月1日(土) 
営業日時:火〜土 午前11:00〜午後7:00 
休廊:日・月 

オープニングレセプション 
1月10日(金)18:00 - 19:30

ギャラリーMUMON 
住所:東京都中央区銀座4-13-3 
電話:03-6226-2555 

詳しくはこちらをご覧ください


出品作品は1点
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タイトル:新時代
場所:富士山
制作年:2020年
画材:木製パネル、ワトソン紙、ガッシュ
サイズ:410mm × 318mm(F6)

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令和という時代を迎え、その瞬間にまさに生きているという奇跡。描かないわけにはいきません。
「時代の始まりを祝す絵を描く」事が一番の目的でした。
昨年は破邪の剣でしたから、今年は破魔の矢。

弓矢といえば流鏑馬。
馬ではなく瑞獣にするととても縁起の良い絵になるのではないだろうか?と、霊獣を描きたいブームの私は麒麟に決めました。

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仁の心を持つ君主が生まれると姿を現すという麒麟、戦争や紛争が止まない世界で、令和が平和な時代でありますように…という祈りでもあります。
誰も傷つけない麒麟の放つその矢は光でできています。
麒麟のお飾りは平安時代頃に流行った「唐鞍」をイメージしていますが、アレンジされているので正確ではありません。

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麒麟に騎乗する少女は神のような尊い存在。
以前描いた「日ノ本」のように強い子供を描きたいと思っておりました。
そして「水玉椿」の着物を子供に着せてみたいとも思っているところでした。そこで絵の中で着せてみることにしました。
着物ありきでしたので、それに合わせて全体の色は決まりました。

弓道も流鏑馬も普通は袴に弽(鹿の手袋)という姿ですが、そうすると狩に行くようですし人間臭いので、そのままの着物姿にいたしました。

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令和初の年明け。
絵の後光を朝日と思えば、それは幕開け。
夕日と思えば、光陰矢の如し。
(私はどちらかというとこちらです。富士山の穴(宝永火口)の角度からして太陽の方向は北西…でもこれはどうでもいいのです)

素晴らしい時代となりますように。
2020年が皆様にとって幸せな年になりますように。

本年も宜しくお願い申し上げます。
posted by mikikatoh at 22:00| 展示

2019年09月10日

加藤美紀 個展「祈りの集積」終

清アートスペースでの個展「祈りの集積」
無事に終了いたしましたことご報告いたします。

お忙しい中足を運んでくださいました方々、気にかけてくださいました方々、告知を広げてくださいました方々、初めて知ってくださいました方々、本当にありがとうございました!

直ぐにでもお礼とご報告をしたかったのですが、会期中も仕事の締め切りがあり、会期直後もあり(間に合わず遅れたり)、日々慌ただしく過ごしておりましたら、あれよあれよと月日は流れ…今日に至りました。

個展中、毎日は在廊することができませんで、お会いできなかった方も沢山いました。
芳名帳のお名前を拝見するたび居なかった事を後悔いたしました。とてもお会いしたかったです。

写真をほとんどとっておらず、初日やオープニングレセプションの様子は一枚も無く寂しく思っていたのですが、皆さんに少しづついただきました。ありがとうございます!

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写真)オープニングレセプションが始まった頃。
着物談義。清アートスペースの関藤清社長と。空山基巨匠にダメ出しされつつエアブラシの秘訣を伝授してもらっているところ。

今回の展示では絵の横に一言、言葉が添えられていました。
清アートの李さんが「表面的な美しさだけではなく、作品に意味がある面白さに興味を持ってもらうため、短い一言を添えてはどうだろう?」と提案してくださいました。

この一言がとても効いているね!と色々な方に褒められたので、ここで紹介をし個展の締めくくりとしたいと思います。

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「深く、脆く、楽園はここ?」
深濁(2015年)

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「喜びも悲しみも、この刹那の中。」
転生(2017年)

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「全てが解けるまで、見つめてゆく。」
乙女の安寧(2019年)

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「本当の欲望の形は、何でしょう。」
水玉(2018年)

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「ここにしか咲かない花。」
花菖蒲(2019年)

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「人々の祈りの数が、我らの力を強くする。」
伏見の狐:玉(2019年)

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「過去現在未来、那由多の祈りはここに集積する。」
祈りの集積(2019年)

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「我ら伏見の神使白狐。願いを叶える者なり。」
伏見の狐:鍵(2019年)

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「響き合う、歌をうたおう。」
水玉椿(2018年)

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「この花のように。」
六道の底(2016年)

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「埋めつくされていく、この世の望み。」
真紅(2014+19年)

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この度の個展を開催してくださいました清アートスペースの方々、私を支えてくださいました方々、本当にありがとうございました!

これからも自分の興味を追求し、真摯に画業を頑張ってまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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posted by mikikatoh at 06:29| 展示