11/27-28とお仕事で京都に行ってまいりました。
メインは着物「水玉椿」の打ち合わせです。
制作佳境ですが、まだまだ課題が沢山あります。
京朋の皆さんや工場の方々にお会いし、着物の色出しの難しい理由や、私がとても染めにくいデザインを描いていたことなどを知りました。
作業工程ごと別々の工場で分業する京都の着物業界において、それぞれの工場をまとめ一つの着物に仕上げる難しさもわかってきました。
希望通りにしてくれようと一生懸命でいてくださる姿を見て、私ももっと勉強して自分が欲しい上に染めやすくクオリティの高い着物が作れるようになりたいなと思うのでした。
経験しながら学ぶことが本当に多いです。でも知る事や出来る事が増えるのはとても楽しい事です。
さて、お話は変わり。
ここは京都、夢の古都です。
やりたいことが多くありすぎて、2日じゃ全然足りません。
だって、タイミング良くPonia-ponの大野らふさん(アンティーク着物好きを開眼させてくれた師匠であり大切な友人)が着物監修した「谷崎潤一郎文学の着物を見る 展」がアサヒビール大山崎山荘美術館でやっているし(素敵な建物と展示が相まって素晴らしかったです)
5月に柴又FU-TENの壁画で描いた”花菖蒲の精”が真似っこしている東寺のイケメン帝釈天に再会したいし(象の横顔が可愛くて可愛くて可愛くて!)
京都に拠点を移したCLAMPさんには絶対お会いしたいし(憧れの素敵スタジオ!めちゃめちゃ美味しいお食事をご馳走になりました。私は漫画の世界に迷い込んだのだと思います…)
すっかり後回しですが、紅葉真っ盛りの京都で一箇所くらい紅葉の名所に行く義務があると思うし(朝一の東福寺はゆったりしていました。もみじが本当に美しい!)
そして今、描きたい絵の一つに伏見稲荷大社があるのです。
こんな絶好のタイミング、取材に行かねば!
体力無いけど山を全部ぐるっと回らねば!
そんな異世界の迷宮はこちらです↓
日本の観光スポット人気ナンバーワン!
お稲荷さんの総本山!の伏見稲荷大社。
大きな鳥居が沢山のお客様をお出迎えです。
(祭神は、宇迦之御魂大神、佐田彦大神、大宮能売大神、田中大神、四大神、だそうです。)
お狐様もお出迎えしてくれます。
さあ、異世界の扉が開きます。連なる鳥居のトンネルの始まりです。
千本鳥居は人でいっぱい!皆楽しそう!
奥社奉拝所到着
写真を撮りながら歩いて12分ほど。
そこかしこにお狐様がいます。
ここまで既に45分。
境内案内図を見た外人さんが『現在地』を知り「オーマイガ!」
そう、まだ半分も来ていません。
京都市南部が一望できるポイント。
ここで引き返す人も多いでしょう。
しかし、ここからが異世界の本番です!
伏見稲荷ラビリンスのスタートなのです!!
お狐様、鳥居鳥居鳥居…
今までとは何か雰囲気が変わってきます。
どの道を行けばいいの???
手書きの「頂上はこっち」の矢印だけが頼りです。
石の鳥居鳥居鳥居…
猫ちゃんがいる!
馬ちゃんもいる!
気づけば陽は落ち、道は寂しく、人もいない…
ここはもうお狐様の聖地。
1時間以上登り続けています。
私…道を間違ったんじゃ?
なんだか帰れる気がしません。
息がゼエゼエ、いつまで登ればいいの?もう体力が限界です!そう思っていたら…
あれ?鳥居が増えてきた。何かがある気配!
キター!
山頂、キター!
1時間半、一の峰に到着!
念入りにお参りします。
さあ、あとは下りの帰り道!
鳥居の作る影も綺麗です。
帰り道…だよね?
さっきの道じゃ…ないよね??
(下りの階段は楽かと思いきや膝にくる…)
ここで私が消えても誰も気づかないと思う。
なのにお狐様が怖くありません。
不気味に思うどころかむしろ安心。神様のお使いだからでしょうか?
おっと、この先完全に闇ですよね?
道、あるんですよね?
………
スマホの懐中電灯機能の威力を知る。
抜けたー!戻ってきたー!
すっかり夜景ポイントに変わっていました。
一周2時間。
今の私が伏見稲荷大社を描くには畏れ多い気がします。でも、どんな絵が浮かぶのか楽しみでもあります。
また来ますね!