「水玉椿」のマス見本(染め見本)が年末になり、やっと求めていた色になって来ました!
着物の染料は、蒸すことで発色&定着します。
蒸し時間やその日の天候でも微妙に色が変わるそうで、蒸し器の入れ替えもあった為、毎回かなり色が揺らいでいたのですが…やっと安定したようです!
かつて京都の着物製造は巨大産業だった為、今もすべての工程が分業で別の工場で行われています。
染める工場が染料の調合をがんばっても、別の工場での作業が安定しないと同じ色が出せないというわけです。
これは本当に難しいことです。
マス見本が届くたびに、眉間に皺を寄せ「どうしたものか…」と悩んでいましたが、やっと着たいと思える着物になりました!
まだ気になる色や見せられない状態のモノもあったりしますが、年末ギリギリ本当にホッとしました。
ありがとうございます!!
iPhoneでの撮影で上手く撮れていませんが…
小鳥ちゃん達こんなに愛おしくなりましたよ。絹の柔らかさが気持ち良いです。
小鳥さん帯、色展開。
椿の着物。白部分が少しマットでシルク印刷のようになっています。色が淡く柔らかいのですが、この質感の違いがあるので椿に存在感が出ています。
シマシマの帯と薔薇の帯。
青の色が出なくて出なくて…青が全部紫になってしまっていたので「青が青い!(感涙)」と胸がいっぱい。
薔薇の着物と、椿の羽織は今もまだ試行錯誤中です。
11月の京都にて、着物を染めてくださっている工場さん。
一反の布を貼り、柄を1つ飛ばしながら染めていくのだそうです。全く悩む事なく機械のような手さばきで染めていて、すごかったです。
着物の制作は普通のお仕事とは全然違っていました。内容や時間の感覚や様々な事が…想像を超える大変さでした(笑)
まず、着物のデザイン画を描き、京都が背景の絵も描く約束だったので絵の下絵(ラフ)を描き、ブランド名を決め…
と、ここまでを1ヶ月くらいで頑張りました(当初は半年早い発表予定だったので)。
それから、原寸の図案を描き、絵の原画を描き、色展開を考え、色見本チップを作り…
3月発表から9月発表に延期されましたが、マス見本が出るまで1ヶ月程必要なので色が違う度に焦りました。
9月に「水玉椿」発表があったので(京朋さんの年二回の大きな発表会)それに伴う色々なことがあり、メインビジュアルの絵を描き…(個人的にホームページのリニューアルもしたので、水玉椿ページも作りました。)
この時には現物をお見せできない状態で「大丈夫かな?」と心配していました(汗)
そんなこんなで、悩みながらずっと作業し続けていましたので、「これ着たい!ときめく〜!」と思える日は、辿り着けない場所のように感じていました…
だから、まだ完成してないけど、わーい!わーい!
2018年も残るところ後少し。
「水玉椿」のご報告ができました事、とても嬉しく思っております。
今年は初めてのことが多い一年で、特別大変だったようにも思います。
沢山の方に助けていただき、手を差し伸べていただき、だからやりきれたのだと思っています。
応援してくださいました方々、本当にありがとうございました!
2019年もどうぞよろしくお願い申し上げます。